私とゆりと私そっくりの兄と

愛人と言うとよく金銭で女性を囲う男女の関係を想像するだろうが、私とゆりはそんな間柄ではなかった。
ゆりは高級クラブのホステスだった。
知人に紹介されそのクラブに入った日はその店の「お着物日」だった。
店のホステスは全員着物だ。
黒服が女性を三人連れてきた。
その中のひとりがゆりだった。
もちろんゆりも着物。
お世辞にも上等とは言えない着物だったが、それゆえに返ってゆりの美しさを際立たせていた。
お決まりの挨拶の後、ゆりは隣に座ったもののずっと私の顔を見て動かなかった。
私もゆりの顔を眺める。
歳の頃は二十八、九か。
「僕の顔に何かついてる」
そうお決まりの冗談を言うと、ゆりははっとした表情でぎこちない笑みを浮かべた。
それがゆりとの初めての出会いだった。

 

あれから三年、何度寝ただろう。
私はゆりの兄にそっくりなのだそうだ。
写真を見せてもらった事がある。
思わず声を出したほど確かに似ていた。
ゆりの兄はかれこれ五年前に行方不明になったらしい。
兄の話になるといつもゆりはふさぎ込んだ。

 

ゆりはいつも私を貪り食うように求めて来る。
執拗に私を味わっているかの様にも思えた。
その理由は薄々分かっていた。
しかし、ゆりには聞かない、いや聞くべき事でもないだろう。

 

そのゆりが先週から連絡がつかなくなった。
電話番号を替えた様だ。
あちらからの連絡もない。

 

一週間ほどして私の会社に手紙が届いた。
ゆりからだった。
封を開けると、私そっくりの男性と腕を組んでいる写真。
手紙はなかった。

 

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